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相原 純; 黒田 雅利*; 橘 幸男
Mechanical Engineering Journal (Internet), 9(4), p.21-00424_1 - 21-00424_13, 2022/08
高温ガス炉(HTGR)は炉心溶融が起こらない安全性が高い次世代原子炉である。しかし、HTGRの炉心のほとんどは黒鉛であるため、HTGRの安全性をより高めるためには燃料の耐酸化性を高めることが重要である。HTGRでは核分裂性物質を含む小球をセラミックスの被覆層で被覆した、直径1mm程度の被覆燃料粒子(CFP)が使用されている。CFPと母材の原料を混合したものを焼結したものが燃料要素である。母材は現在黒鉛である。本研究では模擬CFP(アルミナビーズ)と母材の原料(Si粉末,黒鉛粉末,樹脂)を型に詰めて熱間加圧し、SiCと黒鉛の混合母材を持つ耐酸化燃料要素を製造した。事故条件下でも燃料要素の健全性を保つためには、耐酸化性のみならず機械強度も高い燃料要素を開発する必要がある。熱間加圧条件は燃料要素の機械強度に影響する因子の一部と考えられる。機械強度が高い燃料要素のための熱間加圧条件の最適化のためには、熱間加圧条件と機械強度の関係を定量的に評価する必要がある。本研究では、統計学的実験計画法を導入することにより、熱間加圧条件と機械強度の関係を表す応答曲面の構築し、最適な熱間加圧条件を評価した。
相原 純; 黒田 雅利*; 橘 幸男
Proceedings of 28th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 28) (Internet), 9 Pages, 2021/08
高温ガス炉(HTGR)の燃料要素が災害時においても構造健全性を保つためには、強度が高く耐酸化性の燃料要素を開発するべきである。HTGR燃料要素として、耐酸化性向上のため、熱間加圧した炭化珪素(SiC)/炭素(C)混合母材を採用する。圧力,温度,時間といった熱間加圧条件はHTGR燃料要素の強度に影響する因子である。高強度の燃料要素の最適な製造条件を特定するためには、それらの因子の機械強度に対する効果を定量的にモデル化する必要がある。本研究では、統計的実験計画法アプローチを導入することにより熱間加圧条件と機械強度特性の関係に応答曲面モデルを構築する。
後藤 実; 稲葉 良知; 相原 純; 植田 祥平; 橘 幸男
no journal, ,
原子力機構では、高温ガス炉の特徴的な事故のひとつである空気侵入事故時における耐酸化性能を向上した、革新的な燃料要素の基礎基盤技術の確立を目指し、耐酸化性能に優れるSiCを燃料要素の母材として新たに適用する技術開発を行っている。本発表では、耐酸化燃料要素装荷した高温ガス炉の核熱設計について報告する。
相原 純; 植田 祥平; 本田 真樹*; 小河 浩晃; 柴田 大受; 水田 直紀; 稲葉 良知; 橘 幸男
no journal, ,
現在の高温ガス炉の燃料要素は、被覆燃料粒子を黒鉛及び樹脂の混合物である母材原料粉末でオーバーコートし、押し固めて成形した後に焼成したものである。耐酸化性能の向上のため、この黒鉛母材をSiCを含む母材(SiC/C母材)に置き換えるための技術開発を行った。具体的には被覆燃料粒子の模擬材としてアルミナ粒子を、母材原料粉末として黒鉛・Si・樹脂の混合物を各々用い、耐酸化燃料要素(模擬)の試作試験及び酸化試験を行った。その結果、母材に先行研究の3倍のSiを含む(Si/C=約0.551)耐酸化燃料要素(模擬)を試作できた。XRD測定を行ったところ、母材からSiのピークは検出されなかった。また、過去の研究よりも良好な耐酸化性能を確認した。
黒田 雅利*; 東條 拓也*; 山本 健義*; 相原 純; 橘 幸男
no journal, ,
高温ガス炉は固有の安全性を有する第4世代原子炉である。しかしながら、高温ガス炉特有の事故である空気侵入事故時に想定をはるかに超える空気が炉内に侵入した場合には、燃料要素が酸化する恐れがある。そのため、燃料要素自体に耐酸化性能を有する耐酸化燃料要素の研究開発が現在進められている。燃料要素の健全性が事故時においても維持されるためには、高強度な耐酸化燃料要素の作製技術が求められる。そこで本研究では、耐酸化燃料要素の成形体の強度に影響を及ぼすパラメータとしてホットプレス条件を取り上げ、統計的手法を適用することによりホットプレス条件から成形体の強度を予測できるモデルを作成した。またそのモデルにより高強度な耐酸化燃料要素を作製できるホットプレス条件を予測した。
東條 拓也*; 山本 健義*; 黒田 雅利*; 相原 純; 橘 幸男
no journal, ,
高温ガス炉の燃料は黒鉛・炭素母材で成形した燃料要素を使用している。しかしながら、高温ガス炉の安全性・信頼性を更に向上させるため、高温ガス炉の特徴的な事故のひとつである空気侵入事故時に、想定をはるかに超える空気が侵入した場合でも、燃料の耐酸化性能が維持されるよう、耐酸化性能を持たせる研究が現在行われている。本研究では、様々なホットプレス条件で作製した耐酸化燃料要素に対して強度試験を行った。その結果、ホットプレス温度では13001600Cの範囲で温度が低いほど圧縮強さは大きくなる傾向を示した。
橘 幸男; 大平 幸一*; 黒田 雅利*
no journal, ,
高温ガス炉の安全性の更なる向上を目的として、高温ガス炉特有の事故である減圧事故(配管破断事故)に伴う空気侵入事故時に、想定をはるかに超える空気が炉心に侵入した場合においても、形状及び健全性を維持できる、SiCを含む母材とすることで耐酸化性能を付与した革新的な燃料要素の研究開発を、原子燃料工業及び熊本大学と共同で、平成26年から28年にかけて行った。ここではその全体概要を述べる。
本田 真樹*; 安田 淳*; 大平 幸一*; 橘 幸男
no journal, ,
高温ガス炉の安全性の更なる向上を目的として、高温ガス炉の耐酸化燃料要素の検査技術開発を、原子力機構と協力して平成26年から28年にかけて行った。耐酸化燃料要素は、高温ガス炉特有の事故である減圧事故(配管破断事故)に伴う空気侵入事故時に、想定をはるかに超える空気が炉心に侵入した場合においても、形状及び健全性を維持できるように、母材をSiC/Cとすることで、燃料要素自体に耐酸化性能を付与した革新的な燃料である。耐酸化燃料要素の特性及び性能評価に必要な検査技術開発を行い、SiC/C母材の均質性ならびに粒子分散状態等の評価及び検査手法に加えて、被覆燃料粒子の破損率評価を目的としたSiC/C母材解砕技術を確立した。